相続税とは~きちんとしたい「相続・遺言」~
相続税とは、相続または遺贈により財産を取得した人にかかる税金です。
ではどのくらいの財産を取得した場合に相続税がかかるのでしょうか。
相続税の基礎控除
5千万円+1千万円×法定相続人の数
例えば、法定相続人が妻と子3人の合計4人である場合には、基礎控除は9千万円となります。相続財産の額が基礎控除額を超える場合には、原則として相続税の申告をする必要があります。
ではどのような財産が相続税の対象となるのでしょうか。不動産や預貯金、公社債や有価証券、貸付金などの金銭債権、書画骨董や家財、知的財産権な どほとんどの財産は相続税の対象となります。海外にある財産も同様です。そのほか一定の生命保険金や死亡退職金も「みなし相続財産」として相続税の対象と なります。なお相続人が取得した生命保険金と死亡退職金についてはそれぞれ次の非課税金額があります。
生命保険金・死亡退職金の非課税金額
500万円×法定相続人の数
また、相続開始前3年以内に暦年贈与により贈与を受けた財産や、相続時精算課税制度により贈与を受けた財産も(何年前の贈与であっても)相続税の対象となります。
被相続人の借金などの債務と一定の葬式費用については「債務控除」として財産の額から差し引くことができます。
相続財産は、原則として相続開始時の時価で評価します。特に不動産や自社株式の財産評価は複雑ですので、相続税がかかると思われる場合には、早めに税理士に相談することをおすすめします。
税理士に概算の相続税額を早めに計算してもらい、納税資金の準備をしましょう。相続した預貯金や生命保険金で相続税が払えればよいのですが、払えないならば不動産を売却するなどの準備をする必要があります。
相続税の申告期限は、相続開始から10ヶ月以内です。それまでに遺産分割協議を終える必要があります。申告期限までに遺産分割が決まらない場合に は、法定相続分で相続したものとして申告します。ただしその場合には「配偶者控除」や「小規模宅地の評価減」などの特例が使えないため、相続税が高額にな る可能性があります。
相続税の納付期限は、申告期限と同じく相続開始から10ヶ月以内です。納付方法は原則として現金一括納付です。現金一括納付ができない場合には 「延納」と「物納」の制度もありますが、要件がとても厳しくなっています。なお相続人のうちの一人が相続税を納めないと、「連帯納付義務」といって他の相 続人のところへ督促が来てしまいます。
相続税の税務調査は、どのように行われるのでしょうか。調査がある場合には事前に税務署から連絡が来ます。税務署は、被相続人の財産はもちろん相 続人の財産についても事前に綿密に調べてから調査に来ます。特に注意が必要なのは、名義預金です。相続人の名義になってはいるが実質的には被相続人の財産 と認められるものです。このような預金がある場合には、申告前に税理士に相談しましょう。
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